大判例

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千葉地方裁判所 平成9年(わ)1488号

本店の所在地

千葉県市川市南八幡四丁目一四番一五号

法人の名称

リーガル商事株式会社

代表者の住居

同県我孫子市布佐平和台六丁目五番一号

代表者の氏名

脇田祥宏

本籍

同県我孫子市布佐平和台六丁目五番

住居

同市布佐平和台六丁目五番一号

会社役員

脇田祥宏

昭和一四年八月一日生

右の者らに対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官金子達也出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人リーガル商事株式会社を罰金六〇〇〇万円に、被告人脇田祥宏を懲役二年に各処する。

被告人脇田祥宏に対し、この裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人リーガル商事株式会社(平成七年一〇月三一日以前は株式会社マルヨシ企画設計。以下「被告会社」という。)は、千葉県市川市南八幡四丁目一四番一五号に本店を置き、土木建築、造園工事の設計、監理、施工及びコンサルタント業等を目的とする資本金三億円の株式会社であり、被告人脇田祥宏は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人脇田祥宏は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、業務委託収入を除外するなどの方法により所得を秘匿したうえ、平成五年四月一日から平成六年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が六億二〇二七万六五七四円であったにもかかわらず、同年五月三〇日、同市北方一丁目一一番一〇号所在の市川税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が零円で、納付すべき法人税額はない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額二億三一六九万七九〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

括弧内の甲乙の数字は、検察官の証拠請求番号を示す。

一  被告人の当公判廷における供述

一  第一回公判調書中の被告人の供述部分

一  被告人の検察官に対する平成九年一〇月二二日付、同月二四日付、同月二九日付各供述調書(乙四ないし六)

一  被告人の大蔵事務官に対する平成六年七月四日付、平成七年六月一六日付各質問てん末書(乙二、三)

一  山門順一(甲七、但し、不同意部分を除く。)、齋藤毅彦(甲八、但し、不同意部分を除く。)の検察官に対する各供述調書

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(甲九)、業務委託収入調査書(甲一〇、但し、不同意部分を除く。)、給料調査書(甲一一、但し、不同意部分を除く。)、法定福利費調査書(甲一二、但し、不同意部分を除く。)、厚生福利費調査書(甲一三、但し、不同意部分を除く。)、消耗品費調査書(甲一四、但し、不同意部分を除く。)、事務費調査書(甲一五、但し、不同意部分を除く。)、交際接待費調査書(甲一六、但し、不同意部分を除く。)、地代家賃調査書(甲一七、但し、不同意部分を除く。)、賃借料調査書(甲一八、但し、不同意部分を除く。)、保険料調査書(甲一九、但し、不同意部分を除く。)、修繕費調査書(甲二〇、但し、不同意部分を除く。)、租税公課調査書(甲二一、但し、不同意部分を除く。)、旅費交通費調査書(甲二二、但し、不同意部分を除く。)、通信費調査書(甲二三、但し、不同意部分を除く。)、水道光熱費調査書(甲二四、但し、不同意部分を除く。)、支払手数料調査書(甲二五、但し、不同意部分を除く。)、広告宣伝費調査書(甲二六、但し、不同意部分を除く。)、調査資料費調査書(甲二七、但し、不同意部分を除く。)、諸会費調査書(甲二八、但し、不同意部分を除く。)、燃料費調査書(甲二九、但し、不同意部分を除く。)、会議費調査書(甲三〇、但し、不同意部分を除く。)、新聞図書費調査書(甲三一、但し、不同意部分を除く。)、雑費調査書(甲三二、但し、不同意部分を除く。)、リース料調査書(甲三三、但し、不同意部分を除く。)、受取利息調査書(甲三四)、支払利息調査書(甲三五)、法人税額等の損金不算入額調査書(甲三六)、損金の額に算入した道府県民税利子割調査書(甲三七)、交際費等の損金不算入額調査書(甲三八)、繰越欠損金当期控除額調査書(甲三九、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(設計監理等収入)調査書(甲四〇)、繰越欠損金(外注費)調査書(甲四一)、繰越欠損金(給料手当)調査書(甲四二、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(法定福利費)調査書(甲四三、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(厚生福利費)調査書(甲四四、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(消耗品費)調査書(甲四五、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(事務費)調査書(甲四六、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(交際接待費)調査書(甲四七、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(地代家賃)調査書(甲四八、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(賃借料)調査書(甲四九、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(保険料)調査書(甲五〇、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(修繕費)調査書(甲五一、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(租税公課)調査書(甲五二、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(旅費交通費)調査書(甲五三、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(通信費)調査書(甲五四、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(水道光熱費)調査書(甲五五、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(支払手数料)調査書(甲五六、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(広告宣伝費)調査書(甲五七、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(調査資料費)調査書(甲五八、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(諸会費)調査書(甲五九、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(燃料費)調査書(甲六〇、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(会議費)調査書(甲六一、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(新聞図書費)調査書(甲六二、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(君津対応費)調査書(甲六三、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(雑費)調査書(甲六四、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(リース料)調査書(甲六五、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(慶弔費)調査書(甲六六、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(備品費)調査書(甲六七、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(管理費)調査書(甲六八、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(出向料)調査書(甲六九、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(君津出張費)調査書(甲七〇、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(君津交通費)調査書(甲七一、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(君津会議費)調査書(甲七二、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(君津資料費)調査書(甲七三)、繰越欠損金(君津事務費)調査書(甲七四、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(君津通信費)調査書(甲七五、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(君津租税公課)調査書(甲七六、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(君津雑費)調査書(甲七七、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(受取利息)調査書(甲七八)、繰越欠損金(損金の額に算入した道府県民税利子割)調査書(甲七九)、繰越欠損金(支払利息)調査書(甲八〇)、繰越欠損金(交際費等の損金不算入)調査書(甲八一)、繰越欠損金(法人税額等の損金不算入)調査書(甲八二、但し、不同意部分を除く。)、繰越欠損金(道府県民税等損金不算入)調査書(甲八三)

一  登記官作成の登記簿謄本(甲一)及び閉鎖登記簿謄本五通(甲二ないし六)

(法令の適用)

被告人脇田の判示所為は法人税法一五九条一項に該当するところ、所定刑中懲役刑を選択した刑期の範囲内で被告人脇田を懲役二年に処し、情状により平成七年法律第九一号(刑法の一部を改正する法律)附則二条一項本文により同法による改正前の刑法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予し、さらに、被告人脇田の判示所為は被告会社の業務に関してなされたものであるから、被告会社については法人税法一六四条一項により同法一五九条一項の罰金刑に処せられるべきところ、情状により同条二項を適用した金額の範囲内で被告会社を罰金六〇〇〇万円に処することとする。

(量刑の理由)

本件は、土木建築、造園工事の設計、監理、施工及びコンサルタント業務等を目的とする被告会社の代表者である被告人脇田祥宏が、平成六年三月期の被告会社の法人税の確定申告に際し、虚偽の申告書を提出してその法人税を免れたという法人税法違反の事案であるところ、本件ほ脱税額は合計二億三一六九万円余りという巨額であり、ほ脱率も一〇〇パーセントという高い割合であるから、それ自体まことに悪質というほかはない。かかる犯行が横行するときは、納税者の高い倫理性を前提として成り立つ申告納税制度の存立を脅かし、租税公平負担の原則を害して、納税者間の不公平感を助長し、ひいては、国民の納税意欲を減退させかねないから、被告人らの刑事責任には重いものがあるというべきである。

しかしながら、他方被告人脇田は、本件の査察段階から素直に事実を認めて反省の情を示していること、本件においては、帳簿、伝票類の改ざんや取引業者との通謀等の悪質な手段はとられておらず、手口は比較的単純なものといえること、被告会社は本件につき修正申告に応じ、平成七年一二月に一〇〇〇万円、平成八年四月に一〇〇万円、同年五月に一二五五万円余を納付したほか、被告人脇田は自らの所有する不動産を担保提供していること、納税計画を樹立し平成一〇年四月より月額四〇万円の分納を実行していること、本件後経理の適正化の必要を自覚して、税理士を雇傭し、新監査役を迎えるなどして経理体制の改善を図っていることのほか、被告人脇田にはこれまで更生保護や警察活動への協力を通じて社会に貢献してきた面も窺え、また、古い罰金前科以外には前科がないこと、その他被告人脇田の体調等被告人脇田及び被告会社のために酌むべき事情も認められるので、以上一切の情状を総合考慮のうえ、被告人脇田及び被告会社に対し主文掲記の刑を量定したうえ、被告人脇田に対しては、社会内における更生の機会を与えるを相当と思料し、その刑の執行を猶予することとした次第である。

よって、主文のとおり判決する。

(求刑 被告会社に対し罰金七〇〇〇万円、被告人脇田に対し懲役二年)

(裁判長裁判官 小池洋吉 裁判官 原啓 裁判官 三上乃理子)

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